五人五洋・・・それぞれのドラマ

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前座5人が会場となるナカノバ食堂に集い、講談への思いを語った。「前座はまだまだひよっこ。二ツ目からやっと芸人と認めてもらえる厳しい業界」と言いながらも、講談の魅力に引き込まれ講談愛を生き生きと話す面々。五人五様、この世界に飛び込んだのにはそれぞれのドラマがあった。

▶神田 こなぎ Konagi Kanda ▶田辺 いちか Ichika Tanabe ▶田辺 凌天 Ryouten Tanabe
▶宝井 琴屯 Kinton Takarai ▶一龍斎 貞奈 Teina Ichiryusai

 

神田 こなぎ Konagi Kanda _ 一人で話し続けられる、と選んだこの道
p02-05-07 山梨県出身。小さい頃から喋ることが大好きで、「長い時間、誰にも止められず唯一人で話し続けられる職業は他にあるまい」と選んだ講談師の道。神田すみれに入門し5年目を迎える。初高座ではあまりの緊張に名乗るのも忘れ、後から登場した姉さんが「今のは神田こなぎと申します」とフォローしてくれたとか。週に2本鑑賞するほどの映画好きで、『レ・ミゼラブル』をネタに持つ。「物語だけでなく、新聞に掲載されているようなニュースや話題、みんなが知らない雑学などを伝えられるような講談師になりたい」と前を見据える。
こなぎさんより

明るい雰囲気で講談らしいお話。
盛り上がる合戦のシーンもあるので
気軽に楽しんでください

演目「那須与一」〔8月27日の部〕
ご存知、弓の腕が達者な源氏方の武士。『平家物語』に記される源氏と平家の「屋島の戦い」にて、平家が立てた扇の的を馬にまたがり見事射落としたシーンはあまりにも有名。
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田辺 いちか Ichika Tanabe _ 初めて目の当たりにした講談に感激とまらず
p02-05-09 福岡県出身。舞台女優として活動していた際、ある劇団のワークショップ招待者の中に群を抜いて語りが上手な女性がいた。それが、のちに弟子入りする田辺一邑(いちゆう)との出会い。打ち上げで講談師と知り、初めて師匠の高座を見たら「こんなに愛らしい穏やかそうな人が…凄い!」と話に引き込まれ、気づいたら涙していたと言う。2年間講談会に通い、ついに「弟子にしてくさい」と頼んだのが2014年のことであった。「80、90歳になっても続けていくつもり。そのために、いつまでも色んなことに興味を持って自分がワクワクしないと」とニッコリ。
いちかさんより

持ちネタで今一番やっていて楽しい話。
登場人物が特徴的で、面白い人間同士の
掛け合いが出てきます

演題「仙台の豪傑・熊田甚五兵衛」〔8月16日の部〕
講談ではおなじみ、徳川三代の将軍に仕え「天下のご意見番」と呼ばれた大久保彦左衛門老人(忠教)が、伊達政宗相手にとんでもない話を仕掛ける。
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田辺 凌天 Ryouten Tanabe _ 人生の崖っぷちに脳裏をかすめた講談
p02-05-11 北海道出身。祖母の隔世遺伝か、昔からカッポレ踊りや演芸が大好きで会社員をしながら寄席に通い、講談もよく見ていた。ある日、契約社員から正社員になれないことが判明…。泣いて帰る道すがら、橋を渡る時ふと講談の『鋳掛松(いかけまつ)』を思い出した。鋳掛屋の松五郎が貧富の差に嫌気がさし、橋の上から鋳掛道具を川に捨て「あれも一生これも一生、宗旨を変えにゃあ」と白浪(泥棒)になる話。宗旨を変え、昨年8月、田辺凌鶴に入門。「月に一度新作を出す師匠を尊敬しています。凌天ならコレ、という一本を生みたい」と日々稽古に打ち込む。
凌天さんより

後味の良い話で、師匠に初めて
教えてもらった大切なネタ。
講談は敷居が高くないので、
身構えずお楽しみください

演題「一心太助」〔8月27日の部〕
江戸で魚屋を営み、大久保彦左衛門の家来株として活躍する。義理人情にあつく、ちょっとおっちょこちょいな江戸っ子の典型的人物。
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宝井 琴屯 Kinton Takarai _ 芝居をやめ飛び込んだ講談の世界にどっぷり
p02-05-13 北海道出身。屯田兵の「屯」の字をあてた名を師匠の宝井琴星にいただいた。一人芝居がしたいと上京し劇団に所属したが、笑いあり・涙あり、さまざまなジャンルを一人で語ることができる講談に魅力を感じるように。中でも「コミカルでユーモアあるセリフ回しができる」師匠に惚れ込み、教室に通い出した。昨年秋に正式入門、今年1月に初高座に上がった。例えば清水次郎長は今や定番中の定番だが、かつては新作であった。「のちに、定番になるようなネタを作れるような講談師になりたい」と志高く、「こっちの世界にきて良かった」と話す。
琴屯さんより

吉川英治の宮本武蔵が有名ですが、
講談は小説とは違う展開になったり
出会わないはずの人物が登場したり、
予想外の武蔵が楽しめます

演題「宮本武蔵、鍋蓋試合」〔8月16日の部〕
言わずと知れた日本を代表する剣豪。特に宿敵・佐々木小次郎との対決のシーンは小気味よい講談の聞きどころ。
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一龍斎 貞奈 Teina Ichiryusai _ 師匠が見せた一瞬のセリフ回しに衝撃走る
p02-05-15 静岡県出身。会社を辞め養成所に通い念願のナレーターに就いた。その頃ある講談を見て心動かされ、「語りの表現の幅を広げられるのは講談師しかない。いつか講談師になりたい」と思うように。寄席通いを続けたある日、一龍斎貞心が高座へ。幽霊になるシーンをこの上なく表現した瞬間を見て「これだ!」と、その日のうちに弟子入りを懇願。しばらく勉強に通い、ついに今年1月入門を許された。「喋りがのっぺりしてると叱られてばかり。まずは、町人らしさや武士らしさ、それぞれの話し方ができるように
貞奈さんより

修羅場をカッコ良く演じられるように
頑張ります。特に『臆病一番槍』は
ネタおろし(初披露)で緊張しています

演題「木村又蔵」〔8月16日の部〕
加藤清正の家来になる貧乏浪人の滑稽話。貧乏で売り物の鎧を着たまま逃げることを思いついた又蔵の運命やいかに。
演題「臆病一番槍」〔8月27日の部〕
家康の家来で臆病者の武士の話。主君に「臆病で役に立たないなら死ね」と言われた武士は…。

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投稿日時 2016-07-01

カテゴリー Vol42, おこのみっくすマガジン

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